皮膚
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皮膚感染症に対するオゼックス®錠の有用性の検討
山田 徹太郎吉川 邦彦佐藤 健二川津 智是太田 純子多田 正憲井上 千津子原 洋子松永 悦治川内 勉
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1992 年 34 巻 4 号 p. 541-559

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抄録

皮膚一般感染症94例にニューキノロン剤 (NQs) のトスフロキサシン (略号: TFLX, 商品名: オゼックス®錠150, 富山化学工業) を使用し, 著効40.4% (38/94), 有効42.6% (40/94), やや有効12.8% (12/94) および無効3.2% (3/94), 有効率83.0% (78/94) という成績をえた。副作用として急性難聴1例, 頭痛1例が認められた。いずれも服用を中止して1週間以内に正常化した。副作用発現率は2.1% (2/94) であった。副作用を含めた有用率 (有用以上) は81.9% (77/94) であった.また, メチシリン耐性ブドウ球菌 (MRSA) 3例 (外来患者1例, 入院患者2例) に使用し, 有効2例, やや有効1例で有効率66.7%を得た.従来のNQsよりもS.aureusなどグラム陽性菌に抗菌力が増強されたTFLXは皮膚感染症の一次選択剤として有用な抗菌剤であると考えられた。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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