1994 年 36 巻 2 号 p. 125-133
ヒト頭部皮膚より毛包組織をディスパーゼ・コラゲナーゼ処理で分離, さらにトリプシン処理して細胞浮遊液とし, コラーゲン被覆のシャーレに播種し, 牛脳抽出物等を添加した無血清培地MCDB153HAAで培養した。この細胞を用いて, Ca++濃度, 表皮成長因子 (EGF), トランスフォーミング成長因子 (TGF) αとβ1が本細胞に及ぼす影響を検討した。
培養液中のCa++濃度を0.1mMとした時, 良好な細胞増殖を認めた。EGFとTGF-α は培養毛包細胞に対して増殖促進効果を示さないが, 継代回数を延長させ, 長期間の培養に有用であることを示した。またTGF-β1は培養毛包細胞の増殖を抑制した。