皮膚
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丘疹ー紅皮症 (太藤) の1例
加藤 晴久
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1996 年 38 巻 2 号 p. 203-206

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抄録

患者は64歳, 男性。初診の2週間前より躯幹や四肢を中心として, ほぼ全身に暗赤色で, 痒みを伴う暗紅色局面あるいは孤立性丘疹が出現した。初診時臨床検査成績では血清IgE711 (IU) 以外, 血液一般, 生化学検査に異常を認めず。湿疹皮膚炎群として治療開始したが, 約1年後より全身の浮腫性紅斑が出現し, 腹部の大きな皺を除いて紅皮症様となった。病理組織学的に, 真皮上層の血管周囲の浮腫と, 組織球, リンパ球, 好酸球からなる炎症細胞浸潤が著明であった。内臓悪性腫瘍の合併は認められなかった。自験例を湿疹皮膚炎群に続発した丘疹-紅皮症 (太藤) と考え, 文献的考察を行った。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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