1996 年 38 巻 2 号 p. 207-211
69歳, 男性のエノキサシン (フルマークR, 以下ENX) による光線過敏症を報告した。ENX内服中止7日後に皮疹が生じたこと, 皮疹の臨床像および組職像が急性湿疹様だったことから, 発生機序は光アレルギー性と考えられた。ENXの光貼布試験は陰性であったが, 内服照射試験は陽性であった。モノクロメーターによる波長毎の最小紅斑量の測定から, 作用波長は320から380nmのUVAだけでなく, 290から320nmのUVBの領域にもあると考えられた。また同症の本邦報告例20例をまとめ検討した。