84歳, 女性。初診の2か月前より外陰部の腫瘍に気付き2週間前より出血を認め当科受診。外陰部に表面びらんを伴う有茎性腫瘍と大陰唇の周辺に黒褐色の丘疹を認めた。有茎性腫瘍は組織学的に真皮に腫瘍塊がみられ, その腫瘍細胞は有棘細胞様で核の異型性, 大小不同を認め有棘細胞癌と診断した。一方, 黒褐色の丘疹は表皮の肥厚, 表皮細胞の配列の乱れや核異型性を認めたが, 基底層は比較的保たれており, さらにHPV-16陽性であったことより, bowenoid papulosisと診断した。以上から, 自験例をbowenoid papulosisより生じた有棘細胞癌であると考えた。