フィブリン糊 (ベリプラスト (R)) を用いたpseudocyst of the auricleの治療例を報告した. 症例は70歳, 男性. 数年前より両耳介に腫脹が見られ消長を繰り返していた. 根治目的にて当科受診. 穿刺にて血性漿液を吸引, 同時にフィブリン糊を局所に注入の上圧迫固定した. 以来, 現在まで両耳介とも再発を見ていない. pseudocyst of the auricleは吸引をはじめ, ステロイド注入などをおこなっても再発する場合が多い. この方法は, 簡便で, 局所麻酔も必要なく, 治療効果の面からも試みる価値があると考える. (皮膚, 41: 459-462, 1999)