皮膚
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日本人に適すると考えられたグリコール酸を用いたケミカルピーリング
長濱 通子船坂 陽子市橋 正光
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2000 年 42 巻 5 号 p. 503-508

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抄録

欧米ではFitzpatrickのスキンタイプIないしII型に適した治療法として種々の皮膚疾患に対し, ケミカルピーリング (Chemical Peeling: CP) が盛んに行われてきた。近年, アルファハイドロキシ酸 (AHA), 特にグリコール酸 (GA) を用いた表層型CPが頻用され, 一般の化粧品にもその有効成分の-つとしてAHAを含む商品が多数販売されている。通常白人を対象としたGAによるピーリングは50%, 70%の高濃度で使用されているが, 欧米人と異なる皮膚色をもつ東洋人にとっては, 従来通りの高濃度よりも, 低濃度 (10%, 20%, 35%) によるCPの方が, 副作用も少なく十分な効果があげられ, 有効であることを我々は報告してきた。今回, 座瘡, 老人性色素斑, 小じわを対象とし, 低濃度CPの症例数を増やし, その有用性を確認したので報告する。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会
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