2001 年 43 巻 4-5 号 p. 245-248
皮膚疣状結核類似の外観を呈したmalignant hidroacanthoma simplexの1例を報告した。症例は60歳, 男, 事務職。右大腿部に35×30mm大, 表面に病部鱗屑を伴い, 疣状隆起する境界明瞭な紅色浸潤性局面を認める。病理組織学的に腫瘍胞巣と管腔構造を認め, 病部真皮内へ浸潤する。PAS陽性, EMA陽性, CEA陽性などの所見よりmalignan thidroacanthoma simplex (invasive type) と診断した。臨床的に皮膚疣状結核, クロモミコーシスなどに類似し鑑別診断として重要だと考えた。