2002 年 1 巻 2 号 p. 123-126
86歳男性。平成11年9月頃, 左頬部を剃刀で切創後紫紅色斑が生じた。病理組織学的に真皮上層一皮下脂肪織内にかけて大型核を有する異型細胞が密にび慢性増殖を示していた。免疫組織学的にはCD56陽性, TdT陽性, EBER陰性, TCR遺伝子再構成も陰性であった。NK/Tcell lymphoma (blastic NK cell lymphoma型) と診断したが, 高齢で化学療法施行困難であったため放射線治療を施行した。治療終了時の病理組織では, 腫瘍細胞は著しく減少していたが, 治療終了から4ヵ月後, 前額部, 胸部に再発がみられた。