2002 年 1 巻 3 号 p. 207-209
脂腺母斑が思春期以降に二次性皮膚腫瘍を合併することは良く知られている。特に基底細胞癌、乳頭状汗管嚢胞腺腫、trichilemmomaが好発するといわれている。脂腺母斑症候群は脂腺母斑の他に、中枢神経系・眼・心血管系の異常を伴うきわめて稀な症候群である。この脂腺母斑症候群の脂腺母斑からの二次性皮膚腫瘍の報告はきわめて稀である。今回われわれは脂腺母斑症候群において、その脂腺母斑上に基底細胞癌を発症した1例を経験したので報告する。(皮膚の科学, 1: 207-209, 2002)