皮膚の科学
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経口避妊薬により生じたと思われる脱毛症の1例
後藤 奈保子調 裕次
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キーワード: 経口避妊薬, 脱毛症
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2002 年 1 巻 6 号 p. 400-403

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抄録

26歳, 女性。初診の約5年前より2カ月前まで定期的に近医婦人科にてピル (トライディオ-ル®) を内服していた。初診2日前に後頭部脱毛に気付き, 当クリニックを受診した。初診時に円形脱毛症と診断し, グリチロン®, セファランチン®内服, フロジン®外用にて経過をみていたが, 約2週間後に脱毛が次第に拡大してきため, 薬剤性脱毛, 内分泌異常による脱毛などを疑い血液検査を行ったところトライディオール®のDLSTが陽性であった。治療にも関わらず脱毛の拡大を認め, 脱毛の増悪の原因として薬剤も疑われた。また, 生理不順もあったため近医婦人科へ紹介した。婦人科では卵巣機能不全, 排卵障害の診断で, トライディオール®とほぼ同一の薬剤のドオルトン®を処方された。脱毛はさらに広がってくるため, 同薬剤の中止を指示した。その後脱毛は止まり, 徐々に改善した。

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© 日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
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