バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
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生体力学モデルによる大腰筋の機能解析(<特集>二足歩行と大腰筋)
名倉 武雄山崎 信寿
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2000 年 24 巻 3 号 p. 159-162

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抄録

MR画像より得た大腰筋の3次不幾何学モデルおよび有限要素モデルにより,大腰筋の腰椎・骨盤・股関節に対する作用を検討した.大腰筋は腰椎においては大きな圧縮力と側屈のモーメントを発生し,骨盤に対しては筋方向が変化することで後方圧迫力を生じていた.また股関節では屈曲のモーメントが優位であった.腰椎の有限要素モデルによる解析では,大腰筋によって生じる圧縮力が,腰椎の支持性を増加する作用があることが認められた.以上の結果より,大腰筋は腰椎・骨盤を安定化し,かつ股関節を屈曲する作用を有し,ヒトの直立2足歩行に適した形態・機能をもつと考えられる.

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© 2000 バイオメカニズム学会
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