抄録
リハビリテーション医療においては,採血検査のような簡便な方法はなく,時間と労力とコストをかけて機能評価を行わなければならない.機能評価の要件である,1)評価対象とする障害分類,2)信頼性,3)妥当性,4)尺度問題,5)感度と特異度,6)天井効果と床効果などを念頭に評価を進める.しかし,運動障害の評価においては,さらに1)冗長自由度(redundant degree of freedom あるいはredundancy)の問題,および,2)運動の変動性variability の問題があるため,工夫が必要である.さらに,運動機能を評価しながらもリハビリテーション全体の効果として障害を多面的に評価する姿勢も忘れてはならない.