バイオメカニズム学会誌
Print ISSN : 0285-0885
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アスリートを支える競泳用水着
高木 英樹坂上 輝将
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2020 年 44 巻 1 号 p. 5-9

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抄録
競泳競技において,水着は単に体を覆うコスチュームという位置づけでなく,記録を向上させるための重要なギアであ る.これまでの水着の開発史を振り返ると,2008年の北京オリンピックまでは,主に水着の着心地や水着生地の摩擦抵抗低 減に開発の力点が置かれていた.しかし,北京オリンピック時に登場したレーザーレーサーは,それまでの水着とは一線を画 する画期的な機能を持ち,大幅な記録の向上をもたらした.しかしながら2010年に水着に関する規定が厳格化されると,記 録は停滞し,100 m自由形においては,2009年に樹立された世界記録が未だに破られていない.このように,競泳用の水着 は記録向上と密接な関係を持ちながらも,常に規則の範囲内で開発が進められてきた経緯がある.本稿では,アスリートを支 える競泳用水着の開発現場の過去と現在を概説し,TOKYO2020に向けた動向を探りたい.
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© 2020 バイオメカニズム学会
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