抄録
本研究の目的は,体形の変化により断端周径が変化しても適応可能な筋電義手ソケットの開発である.筋電義手使用者
の体調や成長による前腕断端部の周径の変化は,断端のソケットへの挿入の不具合や,断端と筋電位センサの接触不良を引き起こし,筋電義手の操作性を低下させることがある.通常,従来の筋電義手ソケットにおいては,その時点の周径や断端の状態に合わせてソケット形状を変形させることで対応するが,変形部に皮膚が挟み込まれ,ソケットを装着することが困難にな
ることがある.そこで,本研究では,緩衝ワイヤを用いて変形部と皮膚の直接接触を防ぎ,皮膚の挟み込みを抑制する設計を
提案する.ソケットの内圧,筋電位の取得,ヒアリングによる評価結果から,断端周径の変化に適切に対応し,皮膚の挟み込
みが抑制されていることが確認された.