安全確保が求められる分野の中から,自動車交通,航空交通,住宅地震防災,原子力,医療,医薬品,食品の7分野を取り上げて,法システムの現状の比較整理を行った.比較整理の視点としては,事故情報・不具合情報・安全情報の収集・提供システム,基準設定における国・業界・学会・国際の分担協働,検査実施における行政・民間・国際の分担協働,被害者救済システムの4つを取り上げた.今後,各分野の法システムの共通点・相違点を,社会構造・産業構造・リスク特性等の観点から分析することにより,安全法分野の制度設計手法を構築することが可能になると考えられる.