2004 年 2 巻 p. 181-190
近年, 社会運営において, さまざまな社会の主体や市民の間で交わされる社会コミュニケーションの活性化が重要であり, それを支援するツールの重要性が増してきている. 重要性の増加に伴って, このようなツールが適切に利用され, 社会にどのような影響を及ぼすのかを測定するための評価手法の構築が必要となる. Social Intelligence Quantity (SIQ) は, コミュニケーションツール評価手法として提案され, 測定対象として個人と組織やコミュニティなどの社会的枠組みの両方を含む. 個人を対象とする指標として, 情報欲求, およびコミュニティへの参加意図が測定される. コミュニティを対象として, コミュニティの活動量, 話題の拡散性, メッセージ間の関係などを測定し, 評価を行う. SIQのような標準化された評価指標を構築することによって, コミュニケーションツールが社会へもたらす影響が明らかになると期待される.