人口の25%を高齢者が占める超高齢社会を迎え,高齢者の5 人に一人が要支援や要介護になる.介護は人と人との間での行為であり,在宅介護に入るヘルパーの8 割が腰痛に悩まされている.年齢状況を問わず,介護者の健康管理により,介護労災を防ぎ,介護力を高めることは,在宅の老々介護を可能にし,超高齢社会を安定的に維持するために重要である.顕著な筋骨格疾病減少を実現した英国法律を調査し,法整備とその執行についてわが国と比較した.わが国の筋骨格疾病減少へ向けた介護現場における意識,対策やその現状を調査し,明らかにした.これらの研究結果から,現状の法体系のままでは,わが国における看護・介護現場の筋骨格疾病減少は期待できないことが分かり,法整備の必要性を述べた.