2008 年 5 巻 p. 163-171
鉄道事故の安全対策を効果的に進めるため, 鉄道事業におけるリスク評価の適用を考えた. 実際には発生していない事故をも的確に評価するため, 鉄道エリアを駅または駅間ごとに分割し, そこでの事故の発生確率をハードウェアの種類別に推定, また事故後の影響をモンテカルロシミュレーション等を用いて評価する方法を構築した. また社会の安心に応える対策を実施するため, 社会的価値観を含めたリスク評価を試みた. いくつかのリスクシナリオを対象にリスク値を算出することにより, 実用的な評価手法を構築することができた.