2010 年 7 巻 p. 99-109
2005年度から2006年度にかけて原子力発電所関連のPR館職員へのインタビュー調査をおこなった結果,PR館は電力会社の「顔」であり,社会への窓口でありながら,業界内での「広報」としての認識は乏しく,しかし社会的変化への対応が強いられているという矛盾した立場に置かれていることが判明した.調査結果を元に,各PR館の経験に基づく一般の人とのコミュニケーションにおけるノウハウや工夫などの情報共有と,共通して抱えている問題解決を図ることを目的とした,原子力業界における同業他社間の会合-ComComミーティング-を2007年2月より,4回にわたり開催してきた.本稿では,これらのミーティングの結果についての考察と今後の展開へ向けての課題抽出を行う.