ユビキタス社会のインフラ構築に必要不可欠なICタグ技術は,社会に便利さと安心を提供する可能性を有する一方で,個人のプライバシーと生態への影響が懸念される部分がある.それぞれの立場からの感じ方と価値観を反映した社会構築に向けて,目に見えない複雑な先端技術を社会に導入する際には,一般の人々がそれらの技術をどのように捉えるかを抽出することが重要となる.本稿では,著者らが提案したインターネットを介した意見表明システムを用いて行った実験の結果を述べた.実験結果を基に提案した意見表明システムの特徴として「ゆるやかなコミュニケーション」を見出し,その利用方法を検討した.