社会技術研究論文集
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研究論文
ステークホルダーによる熟議の意味についての考察
ESTステークホルダー会議の実践
濱田 志穂柳下 正治
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2011 年 8 巻 p. 170-181

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抄録

筆者らは,参加型会議手法を応用し,我が国におけるEST(持続可能な交通)論議の本格化を目指した「ESTステークホルダー会議」を実践してきた.ステークホルダーによる熟議を通じて,「ESTの観点から『交通と土地利用』についての政策形成上の論点・障壁を明確化する」ことをねらいとして実施した.
 会議の結果,熟議を経て一定の結果をまとめることはできたが,ステークホルダーの主導(参加者イニシアティブ)によって論点を抽出し,一致点や不一致点等の意見構造まで明確化できたかどうかについては,十分な参加者評価を得るに至らなかった.しかしながら実践を通じ,科学的知識の共有に基づくステークホルダー間の熟議に関して,貴重な実証データと具体的課題を抽出することができた.

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© 2011 社会技術研究会
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