素粒子論研究
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2 核力の中間結合理論II : ps-pvの場合
長谷川 博一野上 幸久
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1955 年 8 巻 6 号 p. 560-584

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抄録
中間結合の方法で,ps-mesonがpv結合をしている場合の核力potentialを求めた。その際,核子の運動エネルギーは小さいとしてこれを無視した。また,核子と中間子との相互作用はあまり強くないものとして,one-level近似を用いた。得られた結果の基本的な特徴は,さきに示されたcharged scalar theoryの場合と共通である。たとえばe^<-μγ>のorderのpotentialは,摂動論で求められたものにdissociation probabilityから生ずるfactorがかゝつたものとなる。さらに,S-mesonの影響は小さく,O-mesonの雲という像が有効であることがわかる。三重竒状態の中心力の場合を除いて,e^<-2μγ>のorderのpotentialは小さく,大勢はe^<-μγ>のorderのpotentialによつてきまる。結果は,T.M.O., B.W.等とかなり違つている。その違いの一部分は,cut offという手続きに原因がある。
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© 1955 著者
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