抄録
1930年付近において,極運動のチャンドラ―周期成分が,その運動半径は小さくなり,その位相が速く進んだ異常な現象の原因は,励起作用の統計的ゆらぎとして解釈される可能性を提起する.極運動の励起は,励起極の1週間程度の時間尺度で変化する無秩序な運動に起因するものと考え,2チャソドラー周期程度の時間に極半径が顕著に減少する確率を求めて,100年に1回程度観測される蓋然性が非常に可能であることを示す.この極半径減少に伴って,極運動の位相が速く進むことと,遅く進むこととは,ほとんど等確率で起こることを,数値シミュレーシ戮ソの計算例から示し,1930年付近では,偶然に位相が進む場合が観測された,と解釈する.