約9,500点の重力測定データを使って,中国・四国地域における詳細なブーゲー異常図を作成した.そこから280km×180kmの範囲を選び,それを10km×7,5km×(1,2,4,6km)および20km×15km×7kmの直方体ブロックに分け,ダンプ付き最小二乗法と特異値分解によるインバージョンを行なって,各ブロックの密度差を深さ20kmまで求めた。得られた結果の3次元密度構造(図7,8)は次のような特徴を示している:中央構造線の北側に沿って,九州から四国東部へ長く伸びる低密度帯とくに別府-松山間の瀬戸内海下の著しい低密度帯;瀬戸内海中央部下の高密度帯;中国地方下に広く分布する低密度と2,3の極小値;三波川帯,御荷鉾帯に相当する四国下の高密度帯.