1980 年 14 巻 4 号 p. 8-21
本稿では,アメリカ企業における経営管理と経営組織の実践の底に流れる基礎的な思潮を求め,それを制御可能性―統制可能性の追求ならびに要具的管理機構観として規定した.しかしそのゆえにこそ,その限界を突き破る動きが色々な形で現れ,ついに60年代以降,その基礎的イデーはその指導性を大幅に喪失するに至った.しかしそれに代わる統合的管理思潮はまだ登場していない.アメリカにおける管理職―専門職の新しい問題も,いわばこの様な現実の管理・組織の混迷状況の中で浮び上っている.