本研究では,日米の製造業企業の環境行動に着目し,企業統治の異なる2国間において,企業外部からの圧力,企業規模,業種特性がどのように環境経営の取り組みに影響を与えているかを比較する.分析対象サンプルは2007年度に実施したアンケート調査に基づいており,有効回答数は日本の製造業企業318社,米国の製造業企業167社である.本分析より,企業統治の異なる日本と米国において,外部要因の影響が組織イニシアチブと環境保全活動に対して与える影響は異なる発展の経路をとる一方で,組織体制は企業統治の違いによって大きな影響を受けないことが明らかとなった.