自殺予防と危機介入
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シンポジウム 第2部 医療従事者支援と自殺未遂者支援
医療従事者のメンタルヘルスをどう維持するか
太刀川 弘和
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2021 年 41 巻 2 号 p. 12-16

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抄録

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)がもたらす様々なメンタルヘルス問題の中でも、世界的に喫緊の課題となっている医療従事者のメンタルヘルスの悪化について概説した。日本を含めてこれまで世界中のどの報告でも、COVID-19に対応する医療従事者にはうつ、不安、不眠、PTSD、燃え尽きが高率に認められていた。これらの症状が悪化しやすい要因としては、女性、看護師、若い、コロナに感染した、患者の死に直面した、自分や家族が差別された、周囲のサポートがない、などがあげられた。これらの要因に加え、自分の意思に反して組織の要求でCOVID-19と戦わなければならないモラル・ディストレスやモラル傷害、さらに災害支援者と同様の惨事ストレスが生じていることで、医療従事者のストレスが極限化し、メンタルヘルスの悪化や自殺リスクの上昇に至っていることが想定された。このため、COVID-19に対応する病院は、災害に準じた職員のメンタルヘルス維持のための組織的かつ具体的支援を講じる必要があると考えられた。

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© 2021 一般社団法人日本自殺予防学会
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