社会政策
Online ISSN : 2433-2984
Print ISSN : 1883-1850
母子世帯の当事者組織によるソーシャル・アクションの現状 : 日本の3つの当事者組織の事例分析から
大友 優子
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 1 巻 3 号 p. 66-78

詳細
抄録

近年の母子世帯に対する福祉水準の切り下げは,最低限の生活維持さえ脅かされる状況にあり,当事者組織は福祉後退に対抗するためにソーシャル・アクションにも関与せざるを得ない。3組織の事例分析より,政策に効果的な影響を与えるために必要な4つの条件である「人的資源」,「政策決定に重要な役割を持つ者との接触」や「他の関連団体とのネットワーク」,「知名度」に関しては,全てを保持する組織はなかった。このことがソーシャル・アクションの効果的な実施を制約する要因であると考える。この制約をクリアするためには,当事者組織の活動理念に共鳴する当事者や当事者以外の人々とのネットワークを形成し,政策への影響力を高めることが考えられる。現在の母子福祉施策は,官僚主導型のエリート主義によって形成されている。今後は,当事者やこれを支援する人々との協働により,政策形成に影響を与えうる効果的なソーシャル・アクションが望まれる。

著者関連情報
© 2009 社会政策学会
前の記事 次の記事
feedback
Top