社会政策
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看護職員に対する能力評価と能力主義管理 : 病院における職能資格制度の設計・運用とクリニカルラダーへの期待
谷川 千佳子
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2010 年 2 巻 1 号 p. 107-119

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抄録

病院看護部門は人材育成に古くから力を入れてきた。近年ではクリニカルラダー・システムを取り入れ能力開発を一層体系化し,人材育成に取り組む組織が増えている。一方病院人事労務管理制度の能力主義管理化を勧める議論が,経営管理実務者を中心に90年代半ばから活発化し,職能資格制度を導入する流れを作っている。それぞれの制度設計と運用のあり方をみることを通して,看護職員に対する能力主義管理の実際を探った。職能資格制度は資格等級数が少なく,看護師の在職年数の実情を反映して非長期勤続対応的に設計される特徴をみた。等級対応的な教育設計とはいえないが,目標管理を通じて実質的に職員の育成を促している。クリニカルラダーは看護職員育成,およびその評価の仕組みから職能資格制度に代替するものとして期待されるとみられる例があった。その意味で,ラダーは看護職員に対する能力主義管理のひとつの表現形態といえるのではないだろうか。

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© 2010 社会政策学会
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