社会政策
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戦後公共職業訓練の史的展開とその現状(<特集>変化する教育訓練とキャリア形成-社会政策学会第122回大会共通論題)
平沼 高
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2012 年 3 巻 3 号 p. 41-53

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抄録

職業訓練法(旧法)は技能労働者の「技能の習得」を目的にしており,職業訓練の中心軸は公共職業訓練にあった。事業内訓練は私企業の私的訓練と考えられた。職業訓練法(1969年)制定以後,職業訓練はその財源を雇用保険の付帯事業に求めた。このことが職業訓練の中心軸を公共から訓練から民間に移行させることになり,訓練基準の弾力化と訓練形態の多様化をもたらした。職業能力開発促進法成立(1985年)以後,職業訓練の中心軸は事業内訓練となり,個人主導の職業能力開発が奨励された。非正規雇用労働者が労働人口の3分の1を占め,個人主導の能力開発が主流を占める今日では,雇用保険に財源を求めるのは無理である。公共職業訓練によって専門的知識と高度な技能を身に付けた労働者を雇用し,ビジネスに活用するのは事業主である。事業主が職業訓練税を支払い,国庫から経費が支払われる公共的な職業訓練体制の確立が望まれる。

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