2012 年 3 巻 3 号 p. 54-57
日本だけでなくドイツやイギリスにおいても,高齢者ケアは急速な高齢化の進展や疾病構造の変化がもたらす課題に直面している。高齢者に対して必要なケアを保障するためには,各種の医療・介護サービスが分野を越えて包括的に供給されるシステムが整備されなければならない。また,サービスの実施に当たる従事者の役割分担を見直すことや,必要な従事者を確保するために経済的な評価や労働環境の改善を図ることが重要な課題となっている。そこで,この小特集では,日本における高齢者ケアを巡る問題の解決策を検討することに資することを目的として,この3力国で行われている政策的な対応についてサービス供給システムとサービス従事者の両面から考察を行うこととした。