2012 年 3 巻 3 号 p. 58-67
ドイツにおいては,高齢化の進展,疾病構造の変化などに対応し,個々の高齢者の状態にふさわしい医療・介護サービスを確保することが重要な課題となっている。しかし,現状のサービス供給システム及び専門職間の役割分担には様々な問題がみられる。本稿では,こうした問題に対応するために行われた新たなサービス供給システムである「統合供給」の導入や看護師・介護士の役割の拡大について検討した。その結果これらの政策的な対応が医療・介護サービスの供給にもたらす効果と今後解決すべき課題を明らかにした。