社会政策
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雇用管理の変化と長時間労働 : 非正規雇用労働者の増大と正規雇用労働者の長時間労働(<小特集>労働市場と社会保障の新たなバランス)
渡部 あさみ
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2012 年 4 巻 2 号 p. 94-104

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抄録

本稿は,1990年代以降,非正規労働者比率の増大を背景に,正規雇用労働者の所定外労働時間が増加している状況を受け,正規雇用労働者と非正規雇用労働者の働き方の違いに着目し,運輸系大企業A社における時短運動の事例分析を行った。業務改革をはじめとする時短運動の結果,開始から3カ月後に正規雇用労働者の所定外労働時間が減少したことが確認できた。しかし,その後は,継続的な時短効果が得られていない状況が続いている。その要因として,正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間に働き方の違い,さらに,時短への意欲の違いがあることが明らかになった。先行研究のいくつかは,非正規化が進む中で,労使関係を再構築する必要性を指摘する。本事例研究は,労働時間短縮過程において,正規雇用労働者のみならず,非正規雇用労働者も,時短に取り組み,そのメリットを得るための労使関係を構築する必要性を明らかにしたといえるだろう。

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© 2012 社会政策学会
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