社会政策
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日本における非営利組織論の諸相 : 事業と公共性の観点から(<特集>「新しい公共」と社会政策-社会政策学会第125回大会共通論題)
橋本 理
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2013 年 5 巻 1 号 p. 32-49

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抄録

事業活動やサービス供給という観点から「新しい公共」を論ずるうえでは,NPOやコミュニティ・ビジネス,社会的企業などの用語で示される新しいタイプの事業主体についての検討が求められる。すなわち,「新しい公共」を担う事業主体のあり方を問うことが必要となる。そして,その問いに取り組むうえでは,新しい事業諸形態が注目されるようになってきた背景や理由は何か,新しい事業諸形態の特徴はどのようなものか,新しいタイプの事業主体は従来型の事業主体とどのような相違点があるのか,などを考察することが求められる。この論文は,日本における非営利組織論の系譜を踏まえながら,NPOをはじめとする新しいタイプの主体による事業活動の内実およびその運営原理について明らかにすることを目的とする。その作業は,新しい事業諸形態は果たして「新しい公共」を担う存在といえるか,さらにはそもそも「新しい公共」とは何かという問題との関わりから進められる。

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© 2013 社会政策学会
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