社会政策
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東アジア福祉国家を世界史のなかに位置づける : その理論的意味と方法論的視点(<特集>東アジア社会政策研究が問いかけるもの-理論的枠組みと実証分析)
金 成垣
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2013 年 5 巻 2 号 p. 21-33

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抄録

本論文の目的は,「東アジア福祉国家を世界史のなかに位置づける」ことである。壮大な目的であるが,そのためにここで解明すべき具体的な問いを2点設定すると,1つは,「なぜ」東アジア福祉国家を世界史のなかに位置づけるのかということであり,もう1つは,「いかに」東アジア福祉国家を世界史のなかに位置づけるのかということである。前者が,既存研究の限界を認識し,東アジア福祉国家を世界史のなかに位置づけることの理論的意味を明らかにする問いであれば,後者は,既存研究の限界を乗り越え,東アジア福祉国家を世界史のなかに位置づけるための方法論的視点を明らかにする問いである。本論文においては,それぞれについて考察を行うことによって,「東アジア福祉国家を世界史のなかに位置づける」ことの理論的意味(第1節)と方法論的視点(第2節)を明らかにし,それをふまえ,今後の本格的な東アジア福祉国家研究のための課題(第3節)を示すことを具体的な目的とする。

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© 2013 社会政策学会
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