社会政策
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社会運動調査におけるインターネット上の映像資料の利用 : ウォール街占拠運動の事例から(<小特集>調査研究における映像資料利用の可能性と課題)
青野 恵美子
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2016 年 7 巻 3 号 p. 90-101

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抄録

インターネット上の動画サイトには,制作者も出所も不明なまま無国籍な無数の動画が流れ,そのほとんどが人々の記憶に止まることなく消えていく。しかし2011年9月にウォール街で始まった占拠運動では,参加者が撮影した映像が動画サイトにアップされると,国境をこえて人々の注目を集め,運動の発火点となった。その後も,運動の主体(運動の牽引者や参加者,賛同者の意)は,マスメディアを含む多様なメディアを活用して,自らの情報を第三者に拡散し主張することで,運動を成功へと導くことになる。本論では,ウォール街占拠運動に関する調査研究において,調査対象者白身が制作・記録したインターネット上の多様な資料,とくに映像資料の意義について取り上げ,映像資料が運動を成功へと導くうえでどのような役割を果たしたのかについて論じる。

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© 2016 社会政策学会
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