プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
2014年度春季
セッションID: 1206
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1206 不採算プロジェクト撲滅にむけたプロジェクト状況の数値化と予兆検知(一般セッション)
永井 俊光
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抄録

今日の厳しいICT市場において利益を確保するためには不採算プロジェクトは許されない.不採算プロジェクト撲滅のために,従来からプロジェクト監査会などの組織マネジメントを実施している.しかし,リスク顕在化の予防ではなく,顕在化後の対応に重点を置くプロジェクトが多く,様々な兆候を見逃し続け,プロジェクトの後半に不採算プロジェクトとなる例が多い.不採算プロジェクト撲滅には,プロジェクトが認識していないリスクを早期発見し,リスクの兆候を検知するという新しいアプローチが必要であると考えた.そのアプローチは,損益情報とプロジェクト監査結果から品質・コスト・納期の状況を数値化し,その6か月間の推移からリスクが重要課題となる兆候を「不採算予兆」として検知するというリスクマネジメントである.アシュアランス部門が不採算予兆を分析し,プロジェクト状況を正確に把握するとともに,フィールド部門が認識したリスクを顕在化させないようにプロジェクトマネジメントをおこなう.不採算予兆の検知というアプローチを始めて以降,アシュアランス部門が監査したプロジェクト数は約180であるが,不採算プロジェクトは発生していない.フィールド部門とアシュアランス部門が共に重要課題を未然防止する意識を高め,リスクを顕在化させないための組織的な対応により不採算プロジェクトを撲滅できると考える.

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© 2014 プロジェクトマネジメント学会
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