プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
2014年度春季
セッションID: 2213
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2213 見積り困難タスクを含むプロジェクトにおけるCCPMバッファ管理 : ソフトウェア要求定義工程における適用事例(一般セッション)
八木 将計北川 健二平塚 幸恵田中 晶小川 秀人
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抄録

TOC(Theory of Constraints)に基づくプロジェクトマネジメント手法として,CCPM(Critical Chain Project Management)が知られている.CCPMのバッファ管理は,従来の各作業タスクに含まれるバッファ(安全余裕)を取り除いて,代わりにプロジェクト全体のバッファを設け,各タスクで発生した遅延をプロジェクトバッファで対処する手法である.また,そのプロジェクトバッファの状態を監視することで遅延を検出でき,早期対策が可能となる.しかし,CCPMのバッファ管理では,ある程度タスクが明確な場合を前提としており,どの程度発生し,どの程度工数が必要になるか,事前に見積りが困難なタスクは扱いづらいという問題がある.そこで,本論文では,タスクの見積りの困難さで分類し,比較的見積り容易なタスクをCCPMの工程管理の対象とし,見積り困難なタスクは,直接工程管理せず,バッファで対処する方法を提案する.また,要求獲得や要求分析といった試行錯誤が必要であり,事前見積りが困難なタスクを含むソフトウェア要求定義工程に本提案手法を適用試行した.結果,通常のCCPMでは適用が難しいソフトウェア要求定義工程においてもバッファ管理が可能となることを示した.

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© 2014 プロジェクトマネジメント学会
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