官庁や自治体から公開されるオープンデータを活用したサービスを開発する過程でコミュニケーションが必要となるオープンデータ提供者,サービス発案者,システムの想定利用者,システム設計者などのステークホルダー同士のコミュニケーション・マネジメントについて述べる.コミュニケーション・マネジメントの手法として,フレームワークのひとつであるリーン・キャンバスを導入したコミュニケーション方式を提案しその可能性を検証するべく2つの実験を行った.まず,現在主流の時系列に基づいた議論とリーン・キャンバスを含むフレームワークとの比較実験により,フレームワークを導入することがオープンデータを活用したシステム案を考える上で有効であるかを検証した.次に,フレームワークの中でもリーン・キャンバスがオープンデータを活用したシステムに関して議論する上で適切であるかを,事業計画策定にしばしば用いられる6W2Hと比較し検証した.結果,リーン・キャンバスは不確実性の高いアイディアを事業策定する面で優れていることが示唆された.