抄録
単層の六方晶窒化ホウ素を転写した酸化膜付き Si 基板上での GaN 成長を反射高速電子線回折(RHEED)によりその場観察するとともに、成長させた GaN 薄膜の形態を走査電子顕微鏡(SEM)により調べた。GaN 成長中の RHEED パターンは常にリング状であり、GaN 薄膜は多結晶状態にあった。ただし、SEM 像には部分的に GaN 薄膜が c 軸配向する領域も見られたことから、多結晶成長の原因は転写の際に支持層として用いたポリマーの残渣にあると考えられ、その除去が GaN 薄膜の配向性向上に不可欠である。