SPring-8/SACLA利用研究成果集
Online ISSN : 2187-6886
Section B
くせ毛の矯正を目的とする低分子化S-カルボキシメチル‐3‐アラニルジスルフィドケラチンの毛髪への応用
吉田 正人鈴田 和之上門 潤一郎
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ジャーナル オープンアクセス

2015 年 3 巻 2 号 p. 415-419

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抄録

人毛の縮毛矯正において酸化剤の代わりにS-カルボキシメチル-3-アラニルジスルフィドケラチン(CMADK)を用いた際の毛髪内部構造に及ぼす影響についてマイクロビーム小角X線散乱測定を行い評価した。分子量3,000程度のCMADKを用い加熱処理を行った場合、通常の縮毛矯正と同程度の縮毛矯正効果が得られた。分子量50,000程度のものを用いた場合、若しくは加熱処理を行わなかった場合、矯正効果は得られなかった。矯正効果が得られた毛髪では内部の中間径フィラメント間の間隔が増加していたことから、浸透したCMADKが加熱によってタンパク質間に橋かけすることで形状を変形、維持していると推測された。

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