2025 Volume 42 Pages 125-128
(1) 本文中に挿入する頁数はすべて本書のものである。なお原文の強調はすべて省略した。
(2) ニーチェの著作名や術語は本書の訳に従う。例えば評者は「反キリスト者」という訳はミスリーディングではないかという立場をとるが、それについては後で触れる。
(3) ヴォルフガング・ミュラー=ラウター(新田章訳)『ニーチェ論攷』理想社、一九九九年。
(4) アレクサンダー・ネハマス(湯浅弘・堀邦雄訳)『ニーチェ ―文学表象としての生』理想社、二〇〇五年。
(5) バーナード・レジンスター(岡村俊史・竹内綱史・新名隆志訳)『生の肯定 ―ニーチェによるニヒリズムの克服』法政大学出版局、二〇二〇年。
(6) これも形式的なことだが、本書には事実誤認がいくつかあることを追記しておく。例えば、ハイデッガーが関わっていたニーチェ全集と現行の批判版全集が混同されていたり(一四頁)、マヌ法典とマニ教が混同されていたりする(四三八頁)。また、ショーペンハウアーが道徳を現象界に引き込んで道徳を貶めたとされているが(五七頁)、そんなことはもちろんない(むしろ逆である)。
(7) ネハマス前掲書のほかに、岡村俊史「パースペクティヴィズムは自己論駁的か? ―ニーチェにおける「真理」と「解釈」」『ショーペンハウアー研究』別巻第一号、二〇〇五年、二四―四二頁、ケン・ジームズ(竹内綱史訳)「ニーチェの真理批判」『ショーペンハウアー研究』別巻第三号、二〇一六年、一二三―一六三頁など、参照。