保健医療福祉科学
Online ISSN : 2434-5393
Print ISSN : 2186-750X
原著論文
日本版修復的対話トーキングサークルの継続的参加体験が青年期の大学生に与える心理的影響
梅崎 薫横山 惠子川添 学佐藤 晋爾
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 12 巻 p. 1-14

詳細
抄録

 健康な学生を対象に、日本版修復的対話トーキングサークル(以下、サークルと略す)の継続的な参加による変化を観察する。学生には隔週3回開催するサークルに参加してもらう。初回参加前と隔週3回参加の1-2週間後に気分プロフィールテストPOMS2とポジティブ心理テストPERMA-profilerを測定する。各3回の参加直前直後に心理テストSTAIとPERMA-profiler(参加前のみ)も測定する。倫理的配慮として所属大学の審査を経た(倫理審査番号19008)。計28名の協力学生は、継続的な参加により気分プロフィールPOMS2で、抑うつ-落ち込み、疲労-無気力、緊張-不安は有意に低下、活気-活力は有意に上昇、well-beingを構成するPERMA-profiler尺度では全項目で統計的有意な上昇を認めた。各回のSTAIは毎回有意に低下していた。質的分析から、対話の場が安心でき、発見や気づきがあり、認識や行動変容の契機となっていたことが明らかとなった。

著者関連情報
© 2022 埼玉県立大学保健医療福祉科学学会
次の記事
feedback
Top