保健医療福祉科学
Online ISSN : 2434-5393
Print ISSN : 2186-750X
研究報告
発達障害のある子どもとその家族のためのクリニカルアート教室の効果
小坂 恵美森 正樹酒井 道久
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2016 年 5 巻 p. 11-17

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抄録

 本研究の目的は、日常生活でつまずきを感じやすい発達障害の子供と家族のストレスの遷延を軽減し、良好な家族関係の促進を目的とした療育支援開発への示唆を得ることである。今回は、幼児から小学生までの子ども3名とその家族5名を対象にクリニカルアート教室を6回実施し、参加状況とストレスの状態の変化を調査した。その結果、参加状況には、子どもの障害の特性によるものや、家族の状況などが影響した。ストレスの変化は、父親、母親のストレス軽減が顕著だった。今回の結果から、クリニカルアートのように五感を使って楽しむアートを取り入れたレクリエーション活動は、子どもと家族、特に育児の主たる担い手である親のストレス軽減を促進できる可能性があり、今後の療育支援に援用できることの示唆を得ることが出来た。

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© 2016 埼玉県立大学保健医療福祉科学学会
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