保健医療福祉科学
Online ISSN : 2434-5393
Print ISSN : 2186-750X
研究報告
大学生の専攻別にみた口腔保健行動、呼吸法、鼻咽腔への黄色ブドウ球菌保菌の実態調査
―口腔保健学専攻と臨床検査学専攻の比較―
苧田 紗代子春山 柚奈田野 ルミ村井 美代
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2017 年 6 巻 p. 16-21

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抄録

 口腔保健行動および呼吸法ならびに鼻咽腔領域への黄色ブドウ球菌の保菌についての実態を明らかにすることを目的に、口腔保健学と臨床検査学を専攻する大学生を対象に、口腔保健行動に関する質問票調査および呼吸法調査、鼻腔および咽頭における黄色ブドウ球菌保菌調査を実施した。分析対象者は口腔学生54名、検査学生76名の合計130名(有効回答率92.2%)で、口腔学生と検査学生の2群間で各項目について比較した。その結果、口腔学生は検査学生に比べて歯間部清掃用器具および歯磨剤の使用状況、歯磨き回数が有意に多く、咽頭の保菌率が有意に低値だった。一方で、洗口剤の使用状況、鼻腔の保菌率、呼吸法に有意差はみられなかった。以上より、口腔保健行動による口腔衛生状態が咽頭の黄色ブドウ球菌保菌の回避に寄与する可能性が示唆された。

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© 2017 埼玉県立大学保健医療福祉科学学会
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