社会情報学
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特集「世論」・論文
2010年代の自民党の情報発信手法と戦略に関する研究
西田 亮介
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2016 年 5 巻 1 号 p. 39-52

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抄録

本稿は,2010年代の自民党の情報発信手法と戦略,ガバナンスの変容について論じている。自民党は2000年代以後,広報戦略と手法を革新し続けてきた。本稿では,(1)2000年代の自民党の広報戦略の変容(2)2013年の第23回参議院議員通常選挙における自民党のネット選挙対策部門トゥルースチームの取り組み(3)2016年の投票年齢引き下げにあたっての自民党の取り組み,という3つの事例を取り上げた。事例の分析を通じて,「標準化」と「オープン化」という特質を持つ「選挙プラットフォーム」と化した自民党の現在の姿を明らかにした。これらは,2000年代における自民党の試行錯誤と創意工夫が結実したものである。そして間接的に2010年代における野党の劣勢と混乱,情報発信手法の革新の停滞が影響し,日本の政党の情報化の取り組みのなかでは,自民党の存在感は確固としたものになっている。本稿は,情報化に適応し,変化する自民党の姿を明らかにするとともに,日本政治の情報化に伴う現状と課題を展望する。

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