2025 年 11 巻 p. 5-11
金星近傍での太陽エネルギー利用は,高い太陽定数を活用した発電構想として位置付けられる.本研究では,NASA/NIACによる金星関連ミッション研究の知見を紹介し,金星探査・開発のための無線送電(WPT)インフラに関する技術動向をレビューするとともに,大規模太陽発電と地球への送電を含む構想について検討する.実現に向けた課題として,金星近傍の極限環境における太陽電池パネルの性能劣化メカニズムと,金星-地球間の長距離送電リンク成立性について初期検討を行った.本論文を通じて,金星という新たなフロンティアでのエネルギー利用の可能性を示すことで,無線送電システムの統合的な技術展開に関する議論を促進することを目指す.