有機EL素子の上部電極膜作製における低ダメージスパッタ法と蒸着法の比較検討

抄録

低ダメージ対向ターゲット式スパッタ法で有機EL素子のAl電極膜を作製した素子と、蒸着法で作製した素子の動作特性を比較すると、発光効率は同程度であるものの、蒸着法で作製した素子の方が、発光電圧が低くなる。この理由を明らかにするため堆積時の基板温度を詳細に調べた結果、蒸着法の場合蒸着源からの輻射熱によって成膜中の基板温度が80℃近くまで上昇していることが原因であることが分かったので報告する。