科学・技術研究
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短報
ASMRを客観的に評価する試み
感覚程度と筋電図振幅の関連性
今田 百香西明 亜由本田 優貴土屋 瞳和食 麻衣河本 政人吉村 耕一
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ジャーナル オープンアクセス

2024 年 13 巻 1 号 p. 47-53

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抄録
自律感覚絶頂反応(ASMR)は、ある種のトリガー刺激によって頭や首の後ろにゾクゾクする感覚を感じる主観的な感覚現象である。本研究の目的は、筋電図検査によりASMRの程度を定量的に評価できるか否かを検討することであった。20人の若い健常者を対象として6種類のASMR動画を視聴してもらい、動画視聴中に筋電図検査を、動画視聴後にはASMR感覚の程度に関する質問紙調査を実施した。その結果、6種類の動画の内の上位2つは、主観的なASMR感覚程度と筋電図振幅の両方で同一であった。ASMR感覚の程度と筋電図振幅の大きさとの間に、統計学的に有意な相関関係が認められた。特に、ゾクゾクする感覚は、感覚の程度が大きいほど筋電図振幅は有意に高値であった。重回帰分析の結果、ASMR感覚の程度は筋電図振幅に影響を与える有意な因子であることが示された。これらの結果から、筋電図検査がASMRの程度の客観的な評価方法として利用できる可能性が示唆された。
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© 2024 科学・技術研究会

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